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検査結果の見方と活用

胸部X線 上部消化管


理学所見

医師の診察の際の所見です。

胸部・腹部 聴診器を胸部に当て呼吸音や心音などに異常がないか調べたり、腹部を触って触知できる腫瘤の有無を調べます。

胸部X線

胸部X線検査は主に肺を見る検査です。肺がんの発症は60代から急上昇し、その後も増え続けるといった傾向があります。また肺がんは他の部位のがんよりも進行が早いものが多い特徴があります。50歳以上の喫煙者や60歳以上の方は1年に1回ではなく、年に数回の胸部X線検査をお勧めいたします。肺がんが特に心配な方は、病院でCT検査を受けることをお勧めいたします。

肺

主な所見・診断

陳旧性陰影 肺の組織が以前に炎症を起こして治った跡(痕跡)です。
胸膜肥厚
胸膜癒着
肺の表面を覆っている胸膜が炎症により、膜の厚みが増したり、ひきつれたりした状態です。
透亮像
気腫性変化
COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。COPDは気管支や肺などに障害が生じる病気で、その最大の原因はタバコです。一度かかると完治することはなく、進行すると日常生活に支障が出る方もおります。禁煙や薬剤で、進行を遅らせることができます。
心陰影腫大・拡大 X線写真上の心臓の大きさが拡大している状態。心臓疾患や肥満が原因となります。
脊椎側弯 脊椎がゆがんでいることを意味します。肩こりや背中の痛みがある場合には整形外科医の診察を受けることをお勧めします。

上部消化管

上部消化管
X線検査

バリウム製剤と発泡剤(炭酸)を飲んでもらい、主に胃・十二指腸を見る検査です。人間ドッグ受診の方は、食道の撮影も行います。胃がん発症は50代から増え、60代がピークです。胃がんは、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)感染による胃炎が最大の原因です。ピロリ菌感染胃炎は通常、自覚症状はありません。胃炎と診断された方は、胃の調子に関係なく定期的な内視鏡検査やピロリ菌の検査・除菌治療が推奨されています。

上部消化管
上部消化管
内視鏡検査
先端に小型カメラを内蔵した細長い管を口(鼻)から挿入し、食道・胃・十二指腸をじかに観察する検査です。異常がみられた箇所の組織を取って悪性度の評価をする場合もあります。
ペプシノゲン 血清中のペプシノゲン値を測定して、胃粘膜の萎縮の程度を調べます。胃がんに発展する可能性がある萎縮性胃炎の診断に役立ちます。

主な所見・診断

ニッシェ
バリウム斑
くぼんだ粘膜にバリウムが水たまりのようになった所見をバリウム斑やニッシェといいます。潰瘍を示唆する所見であり、精密検査が必要となります。
粘膜集中 潰瘍ができて治る過程で粘膜のひきつれが起こり、しぼりのようになった画像が描出されたものを粘膜集中といいます。精密検査が必要なことがあります。
粗大ヒダ
顆粒状変化
慢性胃炎の所見です。慢性胃炎の原因のほとんどはヘリコバクターピロリの感染です。また、慢性胃炎は症状は特に出ませんが、胃がんの原因のひとつです。ヘリコバクターピロリは、薬剤で除菌治療が可能です。
ポリープ 粘膜表面から発生する隆起をポリープと呼び、様々な形があります。ポリープは一般的に良性のことをいいますが、悪性の病変でも隆起するものがあります。この場合はポリープとは診断せず、精密検査必要と判定されます。
粘膜下腫瘍 粘膜の中に埋もれた腫瘍が、なだらかな山のような形をした盛り上がりとして描出されます。多くは筋肉や脂肪でできた良性の腫瘍ですが、まれに悪性の場合があります。大きさや形から悪性を否定できない場合、精密検査が必要です。